私たち働くものの生活は主に賃金によって支えられています。その重要な賃金に不満や不合理があっても、労働組合がなければどうやって解決したらよいか方法がみつかりません。一人づつ会社にかけ合っても、なかなか改善は難しいでしょう。また 最近は「労働組合がなくても賃金には大差がないのだから組合費を取られないだけ得だ」「労働組合がなくても、世間の人とそうかけ離れた生活をしていない」と考えている人もいるようですが、これは大きなまちがいです。初任給は世間並みでも、中高年の落ち込みが激しかったり、賃金体系が不合理だったり、また 残業手当や福利厚生などの面で、しっかりした組合のある職場と大きな格差が付いてしまいます。今春闘を見てみましょう.
労働組合の存在意義として、最も大きなものは、働くものの雇用を守ること、つまり、解雇の問題にあります。好況の時は無計画に雇い入れ、景気が悪くなると人員整理、などと言うことを繰り返されたらたまりません。組合がないと、万一 解雇者が出ても、支援者資金などの問題で個人の泣き寝入りになりがちです。労働組合員の首は簡単には切れない、労働組合の仲間が全力で闘い、守ります
職場を見回しても、問題はたくさんあります。もっとも働きやすい職場にするため率直に話したい,もっと明るい雰囲気をつくりたい、安全性は本当に大丈夫だろうか、みんなが胸の中では思っていることは多くても、自分が問題の指摘をしても、自分が憎まれ損をする、なかなか口に出せないものです。それは労働組合がなく、職場の問題点はわかっていても、それを解決する糸口が無いからです。労働組合は職場の声を最大限聞いて職場改善要求を作り、会社と交渉します。
労働組合は多くの仲間と手をつなぎます.労働組合は数です、一人でも多くの仲間が結集することです。従業員全員が組合員であれば争議行為が無くてもすべて話合いで解決できるでしょう。労働組合の発祥の一つの理由として経営者(権力者)が一人の意見を聞き、個人の要求を受け入れるでしょうか、それは 経営者の最大の目的は利益の追求です。そして賃金は少しでも安い事が良いのです。一人で出来ない事は多くの仲間と目的の一致をはかり集結し、団結することです。
労働組合は一時金、定年延長、老後の生活の向上も目指します。夏季、年末一時金は欧米ではあまり見られない、日本的賃金形態で日本の宗教的要素から生まれていると言われ、夏はお盆の里帰り、冬は新年を迎える為のもち代と言う、切実な必要性があり、また 月例賃金では足りない家計の赤字の穴埋めに使われます。今ではこの一時金が労働者の生活維持に無くてはならないものになっています。つぎに退職金ですが定年後の老後生活の安定の為には、本来は国の社会保障制度、老齢年金の充実をはかることが必要です。しかし それが完備していない現在、退職金の増額は重要な取り組みだす、そして 厚生年金等の支払い開始の繰り上げにより、支払い開始の65歳までは働かざる得ないことを配慮し定年対象年齢の延長に早急に取り組む必要があります