定昇
えっ!?定期昇給が0.1%?
ベアの間違いじゃないの?
私達の定期昇給、今年度は一体どうなるのでしょう?会社側は4年前の1999年度に突然定昇を2.6%から1.0%に切り下げて以降、毎年一方的に、しかも何の具体的根拠の説明も無く切り下げを強行しました。労働協約(会社と組合との合意事項)を結んでいないにもかかわらず、2000年、2001年と定期昇給率を1.0%、0.75%と段階的に下げてきています。
そしてこの2002年の春闘で、0.1%というかつてない定昇率が提示されました。
(A)定期昇給率に対する毎月の基本給の変化をわかりやすく、具体的に試算してみましょう。
計算条件を以下のように設定してみるとグラフTの様になります。
1)現在の年齢を25歳、基本給を25万円とする。
2)毎年の平均定期昇給率を対前年比+2.6%、+1.0%、+0.75%、+0.1%の4種類設定し、今後35年間を比較する。
3)計算は単純化するため基本給のみとして、諸手当、残業、ボーナスは含まないとする。単なる試算です。
グラフT
ここで注目する点は
@ 定期昇給率とは前年比に対する上昇なので、年が経過すればするほど格差が広がっていく。
A 定期昇給とは毎月の基本給に反映されるので、賞与(ボーナス)や残業代、将来的には退職金にまで大きく影響してくる。
B 具体的な額で例にとると、勤続10年(35歳)で2.6%定昇では+65000円だが、一方0.1%定昇では僅か2200円の上昇だけです。
C さらに勤続20年(45歳)では2.6%定昇では+157000円、一方0.1%定昇では+4800円となり全くといっていいほどの横ばい状態です。20年働いて基本給の増加額が「毎月たったの5000円にも満たない!」という信じがたい事になるのです。これは食事に例えて言うならば、「月に一度だけ大人二人がファミリーレストランで食事をしたらそれで終わり!」と考える事も出来ます。45歳の基本給が254800円!これであなたや家族は生活設計が出来るでしょうか?
(B)次に定期昇給率による年収の累積額の比較を見てみましょう。
先に試算した2.6%定昇と0.1%定昇の基本給額から年収を割り出してその累積を比較したのがグラフUです。
グラフU
グラフUを見て一例をあげると、
@ 勤続10年間で累積年収差額は約360万円、20年間では更に広がり差額は約1680万円になる。
A 勤続30年間になると、4250万円でもう、マイホームが購入できるほどの想像をこえる額です。