ロックアウトとは経営者の争議対抗行為です。

 ロックアウトは(閉め出す)と言う意味です。ストを行っている労働者を工場外に追い出して賃金支払義務を免れるとともに労働者の動揺させることを狙った使用者側の「争議行為」です。しかし 使用者の争議権を認めた法律は何処にもありません。



 1、先制的ロックアウトとは労働者がいまだ業務阻害行為を行っていないのに使用者が行うロックアウトで正当性はありません。
 2、対抗的ロックアウトとは労働者が業務阻害行為に入ったのちに行うロックアウトです
   イ、防御的ロックアウトとは労働者の業務阻害行為による損害を軽減して防御する為のも
  ロ、攻撃的ロックアウトとは防衛の目的を超えて逆に使用者の主張を組合に呑ませるためのもの



 労基法1条1項は「労働条件は労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」又 労基法2条「労働条件は労働者と使用者が対等な立場において決定すべきものである」と定めています。労働者個人の力は弱く一人では対等の取引など望むべきもありません。そこで憲法27条で国が労働条件の最低基準を定め、憲法28条で団結、団体交渉、争議権の保障しています。使用者は自分と対等の立場で取引する労働働組合をきらうのが普通です。そこで労組法は不当労働行為制度を設けて使用者が団結権を侵害することを禁じ、労働組合の保護をはかっています。




 労働組合の結成やこれへの加入、その他労働者の団結に対してさまざまな妨害をしばしばします。こうした使用者の行為を禁じておかないと憲法や法律で考えている労働組合活動が保障出来ません。そこで労組法は「不当労働行為救済制度」を定め、使用者に対して規制を加えています。労働者が団結し団体交渉をすることを助成する観点から望ましくない使用者の行為を不当労働行為として禁止しています。(労組法7条)

 たとえば使用者は労働者が労働組合に加入しないことを雇用条件としてはならず、この様な約束は無効です(労組法7条1号)



 使用者は「労働者が労働組合の組合員であること、労働組合の結成加入したことによる、不利益取扱い、又はその他これに対する不利益な取扱い」を禁止しています。労組法7条1号。具体的禁止項目組合活動家の解雇転勤、配転、昇給、昇格、精神的不利益取扱い非組合員への規定外の特別手当の支給。労働委員会への救済申立等をなしたことを理由とする不利益取扱いも禁止されています。(労組法7条4号)