FX労組  104-15
 


    
エクスプレス
 


2003年9月18日
 

            第1号

 

一生懸命働いても

      切り下げられる労働条件

会社切り下げ逆提案説明 これが会社の本心です。

 

2003年8月14日付け 山口人事部長発の2003春闘逆提案についての説明書が提出されました。

当社が、法定の範囲を超えて有給で支給している休暇制度を述べてみますと

@ 年末年始(12/30から1/3)

A メーデー

B 誕生日

C クリスマス

D 慶弔休暇

E 配偶者出産休暇

F 私傷病休暇

G 社内転勤休暇

とあります。これを全部マーケットなどで見比べ、その意義を検討してみました。

今回の当方の希望にかかる4項目の、特に、誕生日休暇とクリスマス休暇を削除しようと判断した根拠について、書面でお伝えいたします。

 

会社逆提案 (クリスマス休暇)

まず Cの「クリスマス休暇」の削除を、選んだ理由です、そもそも我が国は、キリスト教を背景にしていないので、日本人のほとんどが休む@の「年末年始休暇」と異なり、クリスマスが休日でなくても何等文化的な摩擦がありません。また、当社はアメリカ系企業ですが、仕事は日本で行っているので、通常の営業日として活動している日本のお客様の便宜に合わせるのは、業務上非常に合理的です。特に、12月25日は年末の一番多忙な時期です。エアーポート社員だけでなく、ノンエアーポート社員も含めてこの休暇を削除し、社内の公平性を図ると同時に、年末の繁忙期に業務の効率性を高めて会社の収益アップに貢献するのは大変意義があると考えます。ちなみに、わが社がマーケットデータベースとしているウィリアム・マーサーでは「クリスマス休暇の存在」は調査項目にすらなっていなかったほどで、「マーケットを上回っている」どころの話ではないと思います。よって本休暇を削除対象に選んだ次第です。

 

組合見解

会社が述べている8項目にわたる法定範囲を超えている有給休暇制度は、まず 35年以上にも及ぶ労働組合の大きな犠牲を払った闘いの成果であり、正常な労使関係のなかでの交渉の中から労使双方が妥協しあい、生まれた結果である事を忘れてはならない。前任者達の努力を一括批判するがごときの無礼さを知るべきではないか、また、他社に無い制度が在ることは社会に対して会社の従業員を大切にする精神を大いに宣伝、活用し、会社のイメージアップ大いに貢献する事となり、なんら特別な問題を感じ得ない。労働条件の切り下げを強行すれば、混乱をまねき、更なる労使関係の悪化となる事を言わざるを得ない。宗教問題を持ち出し、日本国内では少数だから文化的摩擦がない、少数だから認めないなどの論評はまさに米国企業とも言えない宗教蔑視ではないか、現代の日本の社会では国際化が進み、教育もまた国際化が進み、宗教も多様化しているのが現実であり、当社 従業員も多様な宗教を持ち信仰している。キリスト教を背景にしていないがごとく一方的な私的決め付けは全く納得ができるものではない。もし 会社がクリスマスが日本国内に於いて何等文化的摩擦がないから認めないと主張するなら、日本に於いて正月、お盆と宗教的に、文化的に大きな意味を持つ、お盆休暇に変更する事も考慮されても良いのでは無いか、日本国内においてはクリスマスは戦後数十年を経て宗教色を超えた広く一般的行事となっている事は周知の事実であり、その日が休日であってもなんら珍しくもない。また、ウィリアム・マーサーの調査が信頼性に欠けるものであり、外航12社でクリスマス休暇制度があり、航空業界としては珍しくも無い制度になっている。提案根拠の会社説明に疑問を投げかけるものとなり、正確な調査が必要では無いか。今の組合は従業員の代表では無く、ましてやノンユニオンの社員の公平性まで考慮する必要性を感じない。労働協約は労働組合(労働組合員)と会社が協約するので適用の対象は労働組合員であり、原則 以外の社員は就業規則が適用となり、従業員の代表でない組合は何等意義を唱えるものではない。